水素水の効能を冷静にジャッジする

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2016年12月、「水素水はただの水だった!」というマスコミの報道が世間を騒がせました。消費者庁が管轄する国民生活センターが、水素水の効能について注意喚起したことが発端です。「それ見たことか」という反応が多かったわりには、いまだに水素水ブームは衰えていません。

それどころか水素水の研究は、国立大学や国立の医療機関でも活発に行われています。国が認可した水素ガス吸引療法も取り消される気配はありません。国は水素の効能を否定したのではなかったのでしょうか?

水素水に対するマスコミ報道やバッシングを冷静にジャッジしたうえで、あらためて水素水の効能を整理してみます。

水素水に関する注意喚起の内容とは?

「水素水はただの水」というマスコミ報道の根拠になったのは、国民生活センターから消費者への注意喚起と、水素水を販売している事業者への要望でした。以下にその内容を要約しました。

  • 機能性表示食品やトクホと呼ばれる特定保健用食品として、許可や認可された水素水はまだありません。公的な定義や基準もありません。
  • パッケージに記載されている溶存水素濃度とは、開封前や出荷時に測定された数値です。水素水サーバーの説明書に記載されている溶存水素濃度も同様で、あくまでも水素を充填した時点の数値です。どちらも、飲もうとするときには水素が抜けて、数値は減っています。

注意喚起したのは上記の2点です。別に間違ったことはひとつも言っていませんね。ちなみに、実際に測定したところ、ペットボトルの銘柄は水素が検出されませんでした。また、5銘柄中3銘柄は、記載されていたよりも低い水素濃度でした。

次に、国民生活センターから水素を販売する事業者に対しての要望です。

  • 水素水を測定したところ、表記している溶存水素濃度より低い銘柄がありました。パッケージや説明書に記載する溶存水素濃度表示は、消費期限まで保証できる濃度を記載してください。
  • 健康の保持や健康を増進するような、効果効能を期待させるキャッチコピーや商品説明は、景品表示法と医薬品医療機器等法と健康増進法に抵触するおそれがあります。

ひとつ目の溶存水素濃度表示については、確かに各社が共通の基準にしてくれた方が、私たち消費者としては助かります。ただ、二つ目の効果効能についての要望は、かなり一方的な印象です。もし、理由を伏せて販売することが正しいのなら、私たちは何も選びようがありません。

国民生活センターのおかしな点2つ

無意味なアンケート

効果効能を謳ってはいけない、違法になるおそれがありますよと事業者に念を押したうえで、国民生活センターは水素水の効果についてアンケートを取りました。事業者は当然「水分補給」と答えるしかありません。それ以外の「水素水に期待される効果」を答えると、違法になるおそれがあるからです。

このアンケート結果が、水素水はただの水というマスコミ報道につながったのです。なんとも噛み合わない結論ですね。水素研究の第一人者である太田成男氏は、「それでも水分補給以外の答え方もあっただろう!」とご立腹でしたが、それは研究者としての目線でしょう。

どんな企業でも、違法のおそれがあると注意されることは即、売上げや信用に響きます。おいそれと「それでもこんな効果があるはずです!」と頑張れないのは当然ではないでしょうか?

測定方法と銘柄に疑問が残る

水素水には明確な定義がないため、公的な測定方法もありません。しかし、国民生活センターは独自に水素水の溶存水素濃度を測定し、あたかも公的な測定方法の結果のごとく発表しました。普通に考えれば、複数の研究機関に依頼した結果を、「あくまでも参考資料として」発表すべきです。

また、溶存水素濃度の測定に選ばれた水素水の銘柄についても疑問が残ります。国民生活センターが測定した水素水は、いわゆる大手の事業者が販売している銘柄ばかりでした。しかし、消費者からすれば、苦情や被害件数が多い悪徳業者の水素水こそ測定してほしかったのです。

水素水のバッシングは知識不足?

間違った知識

水素水へのバッシングはさまざまですが、間違った知識や中途半端な知識が根拠となっているケースもたくさんあります。代表的な間違った知識は、水素は水に溶けないのだから水素水はできないというものです。

おそらく中学校での理科の実験で、水素は水に溶けにくいと習ったことが、溶けないという断定に変わってしまったのでしょう。水素は水に溶けます。常温常圧で1.6ppm(1リットル中)溶けることは、科学的に証明されています。



また、体内には腸内細菌が発生させている水素があるので、わざわざ水素水を飲まなくてもいいという意見がありますが、これは中途半端な知識です。体内の水素と体の外から取り入れる水素水を比較した実験は、すでにいくつも実施されています。

その結果、腸内細菌由来の水素と飲用する水素水には、グレリンというホルモンの分泌量、パーキンソン病や炎症を抑制する効果に違いがあることが明らかになっています。

古い知識

最新の研究を知らないために、水素水についての古い知識が横行しているケースもあります。一番多いのが、水素水はまだ動物実験の段階というものです。

近年、日本各地の大学病院や医療法人では、動物ではなく人間を対象とした水素水の臨床試験が行われており、その多くが二重盲検法(にじゅうもうけんほう)です。

二重盲検法とは、被験者側の「効くに違いない」という思い込み(プラシーボ効果)と、医師や試験する側の「効いてる兆候だな」という思い込み(確証バイアス)を避けるための試験方法です。

また、水素水と呼ばれているのは、すべて昔流行った電解アルカリイオン水のことだと思っている人もいるようです。電解水素水と分子水素水は、現在明確に区別されていますし、消費者は好きな方を選択できます。

水素水に期待できる効能

ヒドロラジカルと呼ばれる悪玉酵素だけが、体を通り過ぎようとする水素の分子を捕まえ、くっつこうとします。くっつかれた水素の分子は、ヒドロラジカルを中和して、無害な水に変えてしまいます。

ヒドロラジカルの中和による痛みや炎症の抑制、メタボリックシンドロームや慢性病の改善などは、患者への臨床試験によって効能が確認されています。実際、自由診療として水素水を取り入れている医師は多く、水素水の飲用や点滴は珍しい処置ではありません。
水素吸入濃度64万ppm、水素水生成時の溶存水素濃度は707ppd!ビューティーフライ

しかし、健康体の人が健康増進のために水素水を飲むとなると、一転して効能を期待してはいけないことになります。これは、健康体への臨床試験のデータが少なく、水素水が機能性表示食品やトクホではないからなのです。

水素水の効能まとめ

現代人の多くはメタボリック予備軍であり、ヒドロラジカルによる肩こりや筋肉疲労に悩まされています。いわば病気と健康のボーダーにいるわけです。病気の人のデータはあるけれど、健康な人のデータが少ないとされる水素水の効能をジャッジするには、自分の健康をどう捉えるかが鍵といえるのかもしれません。


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